競走馬用サプリ~アスカル~

こんにちは。

今日は馬用サプリメントの紹介をしていきます。以前は富士フィルムが開発したピュアサラシアについて、広尾TCのナグラーダに使用されていること、さらにはその効果についてまとめました。

今回紹介するのは、その名も”アスカル”です。名前の由来はそのまま、アスタキサンチンとL-カルニチンの混合サプリメントです。

アスタキサンチンはカロテノイド色素の一種で、強力な抗酸化作用を持つことが広く知られています。蛇足ですが鶏卵生産において、アスタキサンチンまたはカンタキサンチンを飼料中に配合し、卵の綺麗な色を作出しています。

カルニチンについては、脂肪燃焼サプリとして人用にも販売されており、今や一般の方の認知度もかなり高くなっています。大学院でL-カルニチンの研究を2年間していたこともあり、非常に思い入れの強い物質です。


◎アスカル

アスタキサンチンの抗酸化作用による”スクミ”の改善、L-カルニチンによるエネルギー効率向上および疲労回復効果を期待するサプリメントです。アスタキサンチンは、富士化学工業のAstaReal®︎を、L-カルニチンは、Lonza社のCarniking®︎を使用しています。for humanはCarnipure®︎、Carniking®︎はfor feedです。

(カルニチンは昨年、種豚用の飼料添加物として農水から認可された、日本飼料業界では比較的Hotな添加物です。この場合は、妊娠期の豚及び授乳期の豚に給与することで、子豚の生育が良くなることが期待されます。)

一口馬主をやっていると出資馬がスクミを発症してしまい、十分な調教ができなかったり、暖かくなる春を待ってからの再始動とのコメントがあったりと悩ましい疾病というイメージが強いですね。アスカルによってこの症状が改善される可能性があるようで、学術発表や論文を含めて見ていきましょう。


まずはそれぞれの成分の詳しい解説を…。

○アスタキサンチン

アスタキサンチンはカロテノイド色素の一種で、強力な抗酸化作用を持ちます。筋肉痛や筋炎の俗称をコズミと言いますが、この症状が悪化すると血液性状の異常が発生します。これをスクミと呼びます。筋肉痛は、激しい運動による物理的負荷も原因になりますが、活性酸素による酸化ストレスも一つの要因となります。この酸化ストレスから体を守ってくれるのが抗酸化物質です。

抗酸化物質の例としては、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、ポリフェノール、CoQ10などが挙げられます。上記の通り、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは、強力な抗酸化作用を有するため、スクミを改善するサプリメントとして期待されています。


第 53 回 競走馬に関する調査研究発表会で発表された演題の中に、アスカルに関するものがあったので紹介します。

アスタキサンチン含有サプリメントの投与による 競走馬の労作性横紋筋融解症(すくみ)の発症予防効果について…大村昂也ら(日高)

https://company.jra.jp/equinst/publications/pdf/y53.pdf

第53回 競走馬に関する調査研究発表(JRA)

【材料と方法】JRA 育成馬 58 頭を投与群(29 頭:牡 19 頭、牝 10 頭)と非投与群(29 頭:牡 16 頭、牝 13頭)の 2 群に分け、投与群には AST 含有サプリメント(アスカル) 30 g を 1 日 2 回、8 週間混餌投与した。血液サンプルは投与前(Pre)と投与終了後(Post)の 2 回、調教終了 4 時間後に採取し、血清中の筋損傷指標(CK、BIL、LDH アイソザイム)を比較した(Kruskal-Wallis の検定)。さらに、試験開始から 14 日目以降の調教後に、筋肉痛の臨床症状を呈したウマの発症率を比較した。

【結果】投与群は、非投与群と比較して Post の CK・BIL 値が有意に低値であった。また、LDH-5の値は有意な差は認めなかったものの投与群に低い傾向がみられた。筋肉痛症状を呈した馬は、投与群において 10.3 %(3/29 頭)であったのに対して非投与群では 37.9 %(11/29 頭)であり、群間に有意な差が認められた。

【考察】AST 含有サプリメントの経口投与により CK 値の上昇が有意に抑えられるとともに、筋肉痛の臨床症状を呈するウマの割合も有意に低くなることが明らかになった。AST は吸収後、主に全身臓器の細胞膜に分布し抗酸化作用を発揮することが知られており、骨格筋における筋膜の活性酸素からの保護に働き、筋細胞の損傷を防いだものと考えられた。以上のことから、AST含有サプリメントによる競走馬の労作性横紋筋融解症の発症予防への有用性が示唆された。

結果、アスカル給与した試験区の方が、血中の筋肉損傷指標濃度低いよ〜。筋肉痛症状が発生した数も給与群の方が少ないよ〜。強い抗酸化作用を持つことが知られているアスタキサンチンだけど、競走馬においても活性酸素から骨格筋を守ってくれるみたいだよ〜。ってな感じです。(急に適当)

疲れたのでカルニチンはまた今度…。スクミのない世の中になるといいなあ。

moetake

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