濃厚飼料と体の酸性化

実家が地方競走馬の療養所だったとか何とかで、自称馬博士の親父が年末気持ち良くお酒を飲んで『馬の酸性化』について語っておられました。


年の瀬にこんな学術的な話聞きたくないとは思いますが(元々読んでくれる人はほぼいない)、備忘録的に書き留めておきます。



まず馬が利用できるエネルギー源はP, F, C の3種類

  • P : Protein(タンパク質)
  • F : Fat(脂質)
  • C : Carbohydrate(炭水化物)

この3つに分類することができます。


今回フォーカスするのはC : 炭水化物

厳密に言うと、炭水化物はさらに糖質と食物繊維に分類されます。糖質はデンプンを含む消化性の高い栄養素であり、食物繊維は人間の消化酵素では分解されない難消化性の成分です。


食物繊維は、消化が難しいことを記述しましたが、馬の大腸では腸内微生物の働きによって分解され、エネルギー源として利用されます。



『繊維をエネルギー源に変換して利用できる』と言うと、パッと浮かぶのが牛ではないでしょうか?馬も牛と同じく草食動物であるため、繊維(乾草etc.)を利用することができるのです。



馬と牛、粗飼料消化能の違い

馬の粗飼料(乾草etc.)利用性は、牛のそれには及ばず、運動量が増加してくると濃厚飼料(消化性高い、穀物が主、Pが高め)の給餌が必要になってきます。この粗飼料消化性の低さと濃厚飼料の必要性が競走馬の酸性化と関係してくるわけです。



胃の大きさと濃厚飼料

馬の胃の大きさは約10Lと、牛の90-200L(腹腔容積の3/4)に比べて非常に小さいことが分かります(牛がデカ過ぎる…)。


そのため、炭水化物を過剰摂取すると消化しきれない炭水化物が大腸へオーバーフローします。消化自体は腸内細菌によって行われますが、このとき発生する乳酸により大腸内の酸性化が進行します。



これが親父がぼやいていた『競走馬の酸性化』です。


酸性化の何が問題なのか??

大腸が乳酸によって酸性化されると、腸内の微生物が死滅します。それによって起こり得るリスクは以下の通り。

  • 疝痛や腸炎の発生率が上昇
  • 体全体の酸性化によるすくみや蹄葉炎の発症
  • 気性が荒くなる(親父の経験上)笑


これらの理由によって濃厚飼料の給餌量は厳密に管理する必要があります。また、蛇足ですが激しい運動後は消化能が下がるため、水を加えて粥状にしたえん麦やふすまを与えて消化性向上を図るそうです。


運動後の消化能低下に関しては、運動生理学的にも報告されており、血液の大部分が筋肉へ流れることから、消化器官の能力が一時的に下がることに起因すると考えられえています。


筋トレした後は、プロテインをすぐに飲まず、EAA(必須アミノ酸)をブレンドして消化を必要としない栄養素を摂取していたのが懐かしいです。



(一時期はブロリーと呼ばれてましたが、筋トレをやめたら2ヶ月で15kg痩せました




余計な話はいいとして…

親父曰く、厩舎飼いで濃厚飼料メインで育成された競走馬は、体の酸性化が進み、病気のリスクが高まるだけでなく、気性もかなりきつくなるとのこと。


この場合一度放牧に出し、体をリフレッシュさせてもう一度仕上げるんだそうです。


そういえば某ブロガーさんも、濃厚飼料と鼻出血などの疾病との関係についてツイートしてました。


疝痛、腸炎、すくみに蹄葉炎と、このブログに来てくださる方(一口馬主)は無視できないワードが並んでいます。飼養方法に関しては全く指示できない(運営方法的にも知識的にも)立場ですが、覚えていて損はないのではないでしょうか??ホンマでっか!?な感じなので正しいかどうかはご自身でご判断をお願いします。



参考 : 馬の飼養管理について(JRA)

http://company.jra.jp/bajikouen/health/kaiyou.pdf

moetake

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